お部屋の壁に棚を付けたい、絵を飾りたい!
でも、壁の材質によっては強度不足になるので、ちょっと不安になります。
「しっかりとネジで止めたはずなのに、気が付いたらグラグラに…」
こんなトラブル、実は「石膏(セッコウ)ボード」の壁に多いんです。
このページでは、最近のお家やマンションに多く使われている「石膏ボード壁」に適したネジ止めの方法を紹介します!
よく似た素材「コンクリート」へのネジ止め方法は、以下のリンクから別記事「コンクリートへ失敗しないでネジ止めする方法」をご参照ください。
コンクリートに失敗しないでネジ止めする方法賃貸住宅などで、ネジ穴の原状回復が心配な方は、以下のリンクから別記事「石膏ボード壁のネジを完全に補修・復活する方法」をご参照ください。
石膏ボード壁のネジ穴を完全に補修・復活する方法・賃貸の方必見石膏ボード壁ってどんな構造?
ネジ止めの方法を解説する前に、そもそも石膏ボードの壁がどうなっているかを説明します。
石膏ボードとはこんな材料です
石膏ボードとは、難燃性の素材「石膏」を固めてできた壁材で、その断面を見ると沢山の気泡が分散されているのがわかります。
このような素材は多孔質素材と呼ばれます。
ベニヤ板やプリント合板などの木材と比べ、耐火性や断熱性、防音性に優れているため、現在では多くの家屋に使われています。
石膏ボード壁の裏側をのぞいてみよう。
これは、内装工事の途中を写した写真です。
石膏ボードの裏には、柱・間柱(まばしら)などの下地(土台)になる部分が隠れているのがわかります。
あと数枚の石膏ボードをネジ止めすれば壁の素地が完成し、その上から壁紙(クロス)を貼り付けると綺麗な壁が完成です。
石膏ボードの上から壁紙(クロス)を貼ると、こんな感じになります。
皆さんのお部屋も、こんな感じじゃないでしょうか?
石膏ボード壁にネジ止めが難しい理由
石膏ボード壁では、しっかりとネジ止めしたつもりでも、使っているうちにグラグラして来ることがよくあります。
電動ドライバーやインパクトドライバーで、強く締めるとネジが効かなくなることも…。
最悪のばあいは、石膏ボードからネジが抜けてしまいます。
でも、なぜなんでしょう?
それは、石膏が元々柔らかい素材で、衝撃や湿気などには弱いからなんです。
黒板に使うチョーク(主成分が石膏)を想像すれば分かりますよね。
多孔質化することで、防音性・断熱性に優れた壁素材になる石膏ですが、こんな弱点があるためネジ止めが難しいんです。
どんなに優れた素材にも、メリットとデメリットがあるんですね。
解決策はボードアンカー、ネジが抜けた時のリカバリーにもなります
ボードアンカーとは、ネジ止めの箇所に前もって埋め込んでおき、弱い母材を強化する便利なアイテムです。
強度の低い石膏ボードの壁でも、ボードアンカーを使えばしっかりとネジ止めすることができるんです!
簡単なフックや軽い額を付ける程度なら、「壁美人」などの簡易的なグッズも使えます。
また、壁に全く傷を付けたくない場合は、「ディアウォール」や「ラブリコ」を使うのもありですね。
※ディアウォールなどを使った棚の作り方は、以下のリンクから別記事「壁に傷をつけない!自作の棚の作り方」をご参照ください。
【賃貸の方必見】壁に傷を付けない!自作の棚の作り方を解説でも、本棚や壁掛けテレビのように、壁にしっかりと固定しないと危ない場合があります。
地震大国日本、安全第一で考えるとボードアンカーを使う方法がおすすめです。
石膏ボード壁へのネジ止め方法
それでは、ボードアンカーを使ったネジ止め方法を解説していきましょう!
概要としては、以下の手順となります。
1.下地の調査・確認
2.石膏ボード壁に下穴を明ける
3.石膏ボード壁にボードアンカーをネジ込む
4.取付物を挟んで、ボードアンカーにネジを締めこむ
次に、それぞれの工程について、詳細を解説していきます。
1.下地の調査・確認
ネジ止めしたい箇所に、間柱などの下地がないことを確認します。
下地の有無の確認は、「下地探し」を使うと便利です。
※裏に下地があると、ボードアンカーが使えないことがあるので、ネジ止めする位置を変更します。
①下地探しの先端には細い針が仕込まれており、白い部分を壁に押し付けると中から針が出てくる構造になっています。
➁下地探しをネジ止めしたい箇所に押し当てて、壁に針を差し込みます。 軽く奥まで刺さればOK!下地はありません。
➂もし針が途中で止まりそれ以上差し込めない場合は、石膏ボードの裏側に間柱などの下地があるので位置を変更します。
※下地探しの針は押しピンよりも細く、壁に残る針孔は微小なので安心です。
※細い穴でもNGの場合は、下地センサーがおすすめ!シンワ測定製なら結構正確に検知してくれます。
2.壁に下穴を明ける:ネジが抜けた時はその穴を下穴に
ネジ止めする箇所に+ドライバーの先端を「グリグリ」と押し付け、ネジの下穴(目印)を明けます。
※ドライバーは+2番サイズ(細くないタイプ)で、グリップのしっかりしたものをおすすめします。
3.壁にボードアンカーをネジ込む
下穴にボードアンカーの先端を押し当てて、プラスドライバーで最後までねじ込みます。
※ボードアンカーの周りに寄ったクロスの端面は、そのままにしておきます。
原状回復の時に利用できるからです。
※ねじ込みが硬い場合は、3mmくらいのドリルで下穴を明けると楽にねじ込めます。
以上でネジ止めの準備は完了!
4.ボードアンカーに取付物をネジで固定する
取り付けたい部材(棚板など)を挟んで、ボードアンカーの真ん中にネジを締め込めばOKです。
※ネジの長さは取付物の厚み+20mmくらいが目安です。
ネジを締めこむことで、ボードアンカーはさらに強く石膏ボードに固定されます。
これでグラグラすることなく、しっかりとしたネジ止めが完了です。
※ボードアンカーが不要になれば、逆の手順で取り外せます。
ボードアンカーの選び方
ボードアンカーは便利なパーツですが、お部屋の模様替えなどで不要になることもあります。
そんなことも考えて、原状回復しやすいボードアンカーを選びましょう。
「ボードアンカーを使用すると、壁面に穴が明いてしまう…」。
はい、それは避けられません。
でもそんな穴は、DIYで修復できるので大丈夫!
※ネジ穴の簡単な補修方法は、以下のリンクから別記事「石膏ボード壁のネジ穴を完全に補修・復活する方法」をご参照ください。
石膏ボード壁のネジ穴を完全に補修・復活する方法・賃貸の方必見大切なポイントは、「ねじ込むときに割れにくく、しっかりと固定され、不要になれば簡単に取り外せるタイプ」を選ぶことです。
金属製のアンカーも売られていますが、取り外しにくい形状のものが多く、石膏ボードとの相性も良いとは言えません。
先々のことを考えると、これは大切なポイントになりますね。
おすすめのボードアンカー
そこで、自信を持っておすすめできるのが「ボードアンカーG4」!
おすすめポイントは以下の4点、秀逸です!
- 先端が4方向に開きガッチリ固定される
- +ドライバー1本で作業できて、取り外しも簡単
- ガラス繊維入りナイロンで丈夫な材質。
- コンパネやベニヤ板にも使用できる
弾力性があって割れにくく、壁材にガッチリと固定される「ボードアンカーG4」。
私はこの一択です!
まとめ
ここまで「石膏ボード壁へのネジ止め方法」を解説してきましたが、最後にもう一度、おすすめの材料と工具を紹介していきます。
実際に作業される時の参考にしてもらえると嬉しいです。